バスクシャツの生地ガイド|カード糸とコーマ糸の違い、どちらを選ぶ?
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目次
同じ「綋100%」、同じ生地の重さでも、着たときの印象がまったく違うバスクシャツがあります。その理由は、タグにほとんど書かれない一語、「糸の下準備」にあります。カード糸かコーマ糸か。この選択が、肉感、落ち感、そして一着の個性を決めます。
Gauvain Parisでは、この選択がそのままラインの違いになっています。La Marinière 1858はカード糸、Marinière Originale(オリジナル)はコーマ糸。このガイドでは、その違いを専門用語なしで解説し、あなたの使い方に合う一着選びを手伝います。
カード糸とコーマ糸:言葉の意味
綿は糸になる前に、いくつかの準備工程を通ります。ここで重要なのは次の2つです。
カード(梳綿)はすべての綿が通る工程です。繊維をブラシでほぐし、整えて均一なシート状にします。ここで止めた糸がカード糸。短い繊維も含むため、わずかに表情のある糸になり、編み地は密でドライな肉感に仕上がります。
コーマ(梳毛)はその先の追加工程です。細かいくしで短繊維を取り除き、長い繊維だけを平行に整えます。コーマ糸(コーマコットン)は均一でなめらか、初めて袖を通した瞬間から柔らかさを感じられます。
どちらが絶対的に「良い」という話ではありません。用途の異なる2つの生地が生まれる、それだけのことです。だからこそ当店の2ラインは、同じ糸では編まれていません。
カード糸:バスクシャツ本来の肉感
カード糸はバスクシャツの歴史的な生地です。フランス海軍の制式ニットも、漁師たちの作業着も、カード糸の密な編み地でした。風を通さず、型崩れせず、年を重ねるほどに表情が出る、コシのある生地です。
その個性を再現したのがLa Marinière 1858。フランスニットの歴史的首都トロワで紡績・編立てされ、France Terre Textile(フランス・テール・テクスティール)認証の工房で作られています。ドライな肉感、存在感のある編み地、肩にのるシルエット。洗濯を重ねると柔らかくなりますが、くたびれません。
「本来の定義のバスクシャツ」を探している方に。メンズとレディースがあります。
コーマ糸:なめらかで均一な肌触り
コーマ糸は別の魅力を奏でます。短繊維を取り除いた糸はクリアで、編み地はなめらか、しなやか、素肌に直接着ても心地よい柔らかさです。短繊維が少ない分、毛玉ができにくいのもコーマの利点です。
Marinière Originaleはこのコーマコットンで、ポルトガルにて編立て・縫製されています。春から秋まで、素肌に直接着られる毎日の一着。メンズ、レディース、長袖に加え半袖もあります。
同じ220g/m²でも別物:目付だけでは決まらない理由
ほとんど説明されない事実をひとつ。当店の2ラインは、どちらも同じ220g/m²の目付(生地の重さ)です。数値の上では同じ量の綿。しかし着たときの印象は大きく異なります。
つまり、目付だけでは生地のすべては語れないということ。1858とオリジナルの違いは綿の量ではなく、糸の下準備です。カード糸は表情とハリを、コーマ糸はなめらかさとしなやかさを、同じ重さの中で生み出します。
他ブランドと比較するときは、目付しか書いていない商品ページに注意。「カード糸かコーマ糸か」「どこで編まれたか」。この2つの答えが一着の価値を決めます。
用途で選ぶ:カードかコーマか
| La Marinière 1858(カード糸) | Marinière Originale(コーマ糸) | |
|---|---|---|
| 肉感 | ドライで表情のある肉感 | なめらか、初めての着用から柔らかい |
| 落ち感 | 構築的、肩でシルエットを保つ | しなやか、動きに寄り添う |
| 着用感 | 存在感があり、経年変化を楽しめる | 素肌に直接、着ていることを忘れる |
| 季節 | スリーシーズン、特に春秋冬 | 春から秋、半袖モデルあり |
| 産地 | フランス・トロワで紡績・編立て、France Terre Textile認証 | ポルトガルで編立て・縫製 |
| 目付 | 220g/m² | 220g/m² |
サイズについては、当店のバスクシャツはユニセックスの型紙がベースで、レディースはメンズから1サイズずれたグリッドになっています。詳しくはバスクシャツの選び方ガイドをご覧ください。
品質の話:それは誤った二項対立
ネットで「カード糸 コーマ糸」と検索すると、「カード糸=廉価」「コーマ糸=高級」という図式をよく見かけます。これはコスト削減のために安価なカード糸を使うプロモーションTシャツの世界の話で、バスクシャツのニットには当てはまりません。
バスクシャツの世界では、厚手のカード糸こそが「本物」の生地。船乗りの作業着の原点であり、最も精密な編機と高密度の糸を要求する生地です。バスクシャツの品質はカード対コーマではなく、繊維の質、編みの密度、染色の均一さ、縫製の丁寧さで決まります。
だから当店では、すべての商品ページに素材と製造地を明記しています。1858はフランス・トロワ、オリジナルはポルトガル。同じ一着への2つの誠実な解釈から、納得して選んでください。フランス製はMade in Franceコレクションへ。
よくある質問
コーマ糸はカード糸より高品質ですか?
いいえ。コーマは糸をなめらかにする追加工程ですが、バスクシャツの品質は繊維の質、編みの密度、縫製で決まります。バスクシャツにおいて厚手のカード糸は歴史的な本来の生地であり、コスト削減ではなく個性の選択です。
カード糸はチクチクしますか?
いいえ。コーマ糸よりドライで表情のある肉感ですが、良質な繊維の220g/m²の密な編み地は肌を刺激しません。洗濯を重ねると自然に柔らかくなります。
なぜLa Marinière 1858はカード糸なのですか?
オリジナルの衣服への忠実さからです。海軍の制式ニットも作業着としてのバスクシャツも、カード糸の密な編み地でした。1858はその生地を、フランス・トロワのFrance Terre Textile認証工房で再現しています。
夏に選ぶならどちらですか?
なめらかで素肌に直接着られるMarinière Originaleのコーマコットン、特に半袖モデルがおすすめです。気温が下がればカード糸の1858の出番です。
2つの生地は同じ重さですか?
はい、どちらも220g/m²です。1858とオリジナルの違いは生地の重さではなく、糸の下準備(カードかコーマか)にあります。